側頭筋のこりはなぜ起こる?食いしばりとの関係
2026/08/06
こめかみのあたりが張っている、朝起きたとき顎まわりが疲れている、夕方になると顔が重く感じる。こうした感覚の背景に、側頭筋(そくとうきん)という筋肉が関わっていることがあります。こめかみから耳の上に広がる扇形の筋肉で、噛む動作のたびに働いています。この記事では、側頭筋がこわばる仕組み、食いしばりとの関係、指1本でできる確かめ方、日中に気づくための工夫までをまとめました。1994年創立・通信講座32年・卒業生18万人超のグローバルボディケア総合学院がご紹介します。
目次
1. 側頭筋とはどこにある筋肉か
側頭筋は、こめかみから耳の上へ扇のように広がる筋肉です。上端は頭の側面まで達し、下端は細く束ねられて頬骨の内側を通り、下顎の骨につながっています。
役割は、口を閉じること。噛む、食いしばる、話す。こうした動作のたびに縮んでいます。歯を軽く噛み合わせながらこめかみに指を当てると、その動きを自分で確かめられます。
- こめかみから耳の上まで、思っているより広い範囲を占める
- 顎を閉じる動作で働く筋肉のひとつ
- 頬にある咬筋(こうきん)と協力して顎を動かす
- 頭の側面に位置するため、髪に隠れて意識されにくい
咬筋との違い
顎まわりの筋肉としてよく知られているのは咬筋のほうです。エラの部分、頬骨から下顎にかけての厚みのある筋肉で、触れると硬さがわかります。
側頭筋はこれより上、頭の側面にあります。同じ「噛む」働きを担いながら位置が離れているため、顎の疲れを感じたときに咬筋だけを意識して側頭筋を見落とす、ということが起こります。
顔と頭を一続きの流れでとらえる考え方は、フェイス&ヘッドセラピー講座の土台になっています。理論科目に「顔と頭部の骨格と筋肉」「顔のコリについて」という項目が置かれ、部位を分けずに学ぶ構成です。
2. こわばる背景にある食いしばり
側頭筋がこわばる最大の要因は、無意識の噛みしめです。上下の歯が接している時間が長くなるほど、この筋肉は休めなくなります。
本来、歯は接していない
安静にしているとき、上下の歯のあいだにはわずかな隙間があるのが自然な状態とされています。唇は閉じていても、歯は触れていない。ところが集中しているとき、緊張しているとき、多くの方が無意識に歯を合わせています。
1日の中で歯が接している時間は、食事や会話を含めても20分程度が目安といわれます。それを大きく超えて接触が続けば、顎を閉じる筋肉は働き続けることになります。
接触が増える場面
- パソコン作業やスマホ操作に集中しているとき
- 細かい手作業をしているとき
- 緊張や不安を感じているとき
- 重いものを持ち上げる瞬間
- 就寝中(自分では気づけない領域)
姿勢との関わり
頭が前に出た姿勢では、顎の位置も前方へずれます。バランスを取るために顎まわりの筋肉が働き続けることになり、側頭筋にも影響が及びます。デスクワークで画面をのぞき込む姿勢が長く続く方は、この経路も重なります。
顔まわりの印象を骨格や表情筋の側から扱うアプローチについては、メディカル小顔矯正セラピー講座のページをご覧ください。
3. 指1本でできる確かめ方
側頭筋の状態は、鏡も道具もなく確認できます。今この場で試せます。
手順
- 人さし指と中指を、こめかみに軽く当てます
- 指はそのまま、歯を軽く噛み合わせます
- 指の下で筋肉が盛り上がるのを感じたら、そこが側頭筋です
- 力を抜き、その状態で指を上下・前後に少しずつずらして触れていきます
確認するポイント
- 力を抜いているのに、硬さが残っていないか
- 触れると鈍い痛みを感じる場所がないか
- 左右で硬さに差がないか
- 耳の上あたりまで張りが広がっていないか
左右差があった場合、噛む側が偏っている可能性があります。片側だけで噛む習慣、頬杖、寝るときの向き。こうした日常の偏りが積み重なった結果として現れることがあります。
あわせて確認したいこと
顎を大きく開けたとき、指が縦に3本入るかどうか。入りにくい、途中で引っかかる、音がするといった場合は、顎まわりの状態を専門家に確認してもらう目安になります。
触れるときは強く押し込まないでください。指の腹をそっと当て、感触を確かめる程度で十分です。硬さがあるからといって、その場でほぐそうと力を入れる必要はありません。
4. 日中の噛みしめに気づく工夫
無意識の癖は、気づく仕組みをつくらないと変わりません。意志の力より、環境の工夫のほうが効きます。
目印を置く
付箋やシールを、視界に入る場所へ貼っておきます。パソコンの画面の縁、スマホの背面、冷蔵庫の扉、洗面所の鏡。目に入るたび、そのとき歯が接していないかを確かめます。
接していたら、口を軽く開けて息を吐き、上下の歯を離します。それだけです。この確認を1日に何度も繰り返すうちに、目印がなくても気づけるようになっていきます。
作業の区切りを決める
- 1時間に一度、席を立つタイミングを決める
- 立ち上がったら、口を軽く開けて顎の力を抜く
- 肩を一度すくめて、ストンと落とす
- 数回深く呼吸をする
顎だけを意識するより、肩や呼吸とセットにするほうが習慣として続きます。
寝ている時間について
就寝中の噛みしめは、自分では気づけません。朝起きたときに顎まわりが疲れている、こめかみが張っている、歯の噛み合わせに違和感がある。こうした感覚が続く場合は、歯科でご相談ください。マウスピースなど、専門的な対応の選択肢があります。
やわらかいものを選ぶ日
顎まわりの疲れを感じている日は、噛む回数の多い食品を控えるという選択もあります。硬いパン、するめ、ガム。これらを避ける日を設けるだけでも、筋肉が休む時間が生まれます。
5. 受診を考えたい場合と学び方
こめかみの張りは日常的な変化であることが多いものの、医療機関で確認したほうがよい状態もあります。
歯科・口腔外科へご相談いただきたい場合
- 口を開けるときに音がする、引っかかる
- 指が縦に3本入らないほど開きにくい
- 顎を動かすと痛みが走る
- 朝起きたときの顎の疲れが毎日続く
- 歯がすり減っている、欠けたと指摘された
その他の症状をともなう場合
強い頭の痛みが繰り返す、しびれや視界の変化をともなう、発熱がある。こうした場合は、こめかみの張りとして扱わず、医療機関でご相談ください。妊娠中の方、持病で通院中の方も、セルフケアの前に主治医へご確認をお願いします。
人に施術する立場を目指す場合
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6. よくある質問
側頭筋と咬筋はどう違いますか?
位置が異なります。咬筋はエラの部分、頬骨から下顎にかけての厚みのある筋肉で、側頭筋はこめかみから耳の上へ扇状に広がる筋肉です。どちらも顎を閉じる働きを担いますが、離れた場所にあるため、顎の疲れを感じたときに咬筋だけを意識して側頭筋を見落とすことがあります。
歯は普段くっついていないものなのですか?
はい。安静時は上下の歯のあいだにわずかな隙間があるのが自然な状態とされています。1日のうち歯が接している時間は、食事や会話を含めても20分程度が目安です。集中しているときや緊張しているときに無意識で噛み合わせている方は少なくありません。
こめかみが硬いときは強く揉んだほうがいいですか?
強く押し込む必要はありません。指の腹をそっと当て、感触を確かめる程度で十分です。硬さの原因が噛みしめの習慣にある場合、その場でほぐすことより、日中に歯を離す回数を増やすほうが変化につながります。
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