マンションの自宅サロン:解錠・廊下・階下への音の決め方
2026/10/04
マンションやアパートの一室でサロンを開くと、受け手は玄関に着く前に、エントランス、エレベーター、共用の廊下を通ります。どれも施術者の持ち物ではなく、建物に住む人みんなの場所です。一戸建てなら玄関先で済むことが、集合住宅では建物の入口から部屋の扉までの数十メートルに広がります。
もう一つの違いは音です。椅子を引く音やかかとで歩く音は、床を伝わって下の階に届きます。施術室の中だけを整えても、建物の中での見え方と聞こえ方は変わりません。
この記事では、始める前に確かめること、エントランスから部屋の扉までの通し方、床に響く音の減らし方、見送りの4つを順に整理します。建物の決まりで認められている場合の段取りであり、規約や契約の解釈はここでは扱いません。
目次
1. 始める前に確かめる3つ
段取りを考える前に、その建物でサロンを開いてよいかを確かめます。確かめる先は3つです。
分譲マンションは管理規約と使用細則
分譲マンションの管理規約には、住戸を住宅として使うよう定めた条文が置かれていることがあります。来客を伴う使い方をどう扱うかは建物ごとに違い、使用細則に細かい決まりが書かれている場合もあります。まず手元の規約を開き、住戸の使い方を定めた条文を探します。
賃貸は契約書の使用目的
賃貸の場合は、賃貸借契約書の使用目的の欄を見ます。ここが「居住用」「住居」となっている場合、仕事で人を招く使い方が含まれるかどうかは、契約書だけでは判断できません。
読んで分からなければ、管理会社か大家に聞く
規約や契約書の読み方を、自分だけで決めないようにします。分譲なら管理会社か管理組合、賃貸なら管理会社か大家に、次の3つを伝えて確かめます。
- 何をするか。自宅の一室で、予約のあった人に施術を行う
- 人の出入り。1日に来る人数と、来る時間帯
- 外から見えるもの。看板や表示を共用部に出さないこと
返事は、日付と相手の名前と一緒に書き留めておきます。認められなかった場合は、その部屋では行いません。受け手の家へ出向く形や、施術に使える部屋を時間で借りる形に切り替えます。
ここから先は、建物の決まりで認められている場合の段取りです。
2. エントランスから部屋の扉まで
受け手が通るのは、エントランス、エレベーター、共用の廊下、部屋の扉の4か所です。決めておくことは、それぞれ1つずつです。
呼び出しには10秒以内に出て、名前を呼ばない
オートロックの呼び出しが鳴ったら、モニターで顔を見て、10秒以内に解錠します。エントランスのスピーカーから出る声は、周りにいる住人にも聞こえます。受け手の名前やサロンの名前は口にせず、「はい、どうぞ」とだけ答えます。
部屋番号や建物の入口をどう伝えるかは、自宅サロンの場所の伝え方でまとめています。
解錠から部屋の前までの時間を測っておく
解錠してから受け手が部屋の前に着くまでの時間を、自分で3回歩いて測ります。エレベーターを待つ時間も含め、いちばん長かった回を目安にします。低い階なら1分ほど、高い階でエレベーターが1基の建物なら3分ほどかかることもあります。
この時間は、玄関の内側で待ちます。扉を先に開けて廊下で待つと、声や室内の様子が共用部に出ます。扉を開けるのは、部屋のチャイムが鳴ってからです。
廊下では一言だけにする
扉を開けたら「どうぞ」と一言だけ伝え、挨拶や天気の話は扉を閉めてからにします。共用の廊下は声がよく通り、隣の部屋の玄関はすぐ横にあります。
共用部に物を置かない
傘、ベビーカー、受け手の荷物を、扉の外に置いてもらわないようにします。共用の廊下は避難のための通路でもあり、建物の決まりで物を置けないことがあります。傘は玄関の内側に傘立てを用意して受け取ります。
施術中に呼び出しが鳴らないようにする
次の受け手が早く着くと、施術の最中にエントランスから呼び出しが鳴ります。前日に送る連絡に「予約の時刻の5分前から入れます」と1行添え、入れ替わりの時間を広めに取ります。それでも鳴ったときの手の止め方は、施術中に宅配が来たときの対応と置き配の決め方と同じ組み立てです。
階段しかない建物では、着いてから座ってもらう
エレベーターのない建物で3階より上にある場合は、予約のときに階数を伝えておきます。着いたらすぐに施術へ入らず、椅子に1〜2分座ってもらいます。息苦しさやめまい、気分の悪さが続くと受け手が話す場合は、施術を見合わせ、医療機関の受診をすすめてください。原因を施術者が判断することはできません。
3. 下の階と隣に響く音を減らす
集合住宅で届く音は2種類あります。声や音楽のように空気を伝わる音と、床や壁を伝わる音です。音楽の音量とスピーカーの置き方はサロンのBGMと音量の決め方で扱っているので、ここでは床を伝わる音に絞ります。
床に響く音の出どころは5つ
- 椅子を引く音
- かかとから着く歩き方
- 施術ベッドやワゴンを動かす音
- 物を落とす音。ボトルやピンセットなど
- 扉や引き出しを閉める音
軽い音は敷物で、重い音は動き方で減らす
椅子を引く音や小さな物を落とす音は、床に敷物を1枚はさむとやわらぎます。施術ベッドと椅子の下に厚さ1センチ前後のラグかマットを敷き、椅子の脚にはフェルトを貼ります。
かかとで歩く音やベッドを動かす音は、敷物だけでは減りにくい音です。こちらは動き方を変えます。
- 室内では底のやわらかい室内履きをはき、足の裏全体で着く
- 椅子は引かずに、持ち上げて動かす
- ベッドを開く、畳む、位置を変えるのは、最初の枠の前に1回、最後の枠のあとに1回までにする
- 扉と引き出しは、最後まで手を添えて閉める
施術を入れる時間帯を決める
施術の枠は、9時から20時のあいだに収めます。サロンで決めておく目安です。夜遅い時間に洗濯機や掃除機を回さずに済むよう、最後の枠の終わりは早めに置きます。
廊下側の部屋ほど、声が外へ出る
共用の廊下に面した部屋は、玄関の扉や窓から声が外へ出ます。間取りを選べるなら、施術の部屋は廊下からいちばん遠い部屋にします。選べない場合は、カウンセリングの声を、向かい合った相手に届く大きさにとどめます。
月に1回、扉の外に立って聞く
受け手のいない時間に、室内でいつもの音量の音楽を流し、自分は扉の外に立って聞きます。家族がいれば、椅子を1回動かしてもらいます。聞こえた音を1つ選んで減らす。これを月に1回、5分で行います。
4. 見送りと、住人に会ったとき
見送りは玄関の内側まで
帰りの挨拶、次回の日時、会計の話は、扉を開ける前にすべて済ませます。順番は3つです。
- 忘れ物がないかを一緒に見る
- 玄関の内側で挨拶を済ませる
- 扉を開け、会釈だけで見送る
エレベーターの前まで付いて行くことはしません。廊下で立ち話になり、部屋の扉も開いたままになります。
受け手どうしを共用部で会わせない
前の受け手が部屋を出てから次の受け手の予約の時刻まで、15分以上あけます。前の受け手が建物を出るまでに3分前後、次の受け手が早く着くのが5分前後で、この2つが重なるためです。予約枠に片付けの15分を含めていれば、それがそのまま入れ替わりの時間になります。1日に通す人数は、サロンで上限を決めておきます。たとえば1日4人までです。
受け手に伝えておく3つ
前日に送る場所の案内に、建物についてのお願いを3行だけ添えます。
- エントランスでは部屋番号を押して呼び出してください
- 廊下とエレベーターでは、通話をお控えください
- 自転車や車で来る場合は、前もってお知らせください
住人や管理人に聞かれたら、短くそのまま答える
廊下やエレベーターで「何かされているのですか」と聞かれることがあります。ごまかさずに1文で答えます。「管理会社に確かめたうえで、自宅で施術をしています」。それ以上の説明や勧誘はしません。
音や出入りについて指摘を受けたとき
- その場で内容を最後まで聞き、言い返さない
- 日付、時刻、指摘の内容を1行で書き留める
- 同じ指摘が2回続いたら、時間帯か動き方のどちらかを変える
- 管理会社から連絡が来たら、その指示に従う
書き留めた1行は、次に管理会社と話すときの材料になります。
5. 椅子に座ったまま受けられる施術を学べる講座
集合住宅の一室では、大きな施術ベッドを開いたり畳んだりする回数を減らせると、床に響く音も減ります。耳に粒を貼る施術や耳もみは、受け手が椅子に座った姿勢でも行えます。使う道具も、粒のシールやピンセットなど、手のひらに収まるものが中心です。
耳つぼダイエット講座では、耳への施術を基礎から学びます。実技科目には耳のお手入れ、耳もみ、頭部ほぐし、頸部・頭部・デコルテのリンパトリートメントがあり、理論科目には耳つぼの歴史、耳つぼの特徴、耳つぼの注意事項、金粒取り扱いについてが含まれます。
教材はオリジナルDVD1枚、実技テキスト1冊、理論テキスト1冊、反射区表、副読本、耳模型、耳つぼジュエリー、マグレイン、ピンセット、消毒綿、確認問題です。標準学習期間は2ヶ月から6ヶ月、最長1年まで受講できます。確認問題は100点満点の80点以上で合格、再試験は無料で回数の制限がありません。試験料、認定料、送料、更新料はすべて無料です。
受講料は通常66,000円(税込)、資格支援特別価格28,200円(税込)、クレジットカードの24回払いでは月々1,334円からです。資格支援特別価格は時期により変動します。
修了後は認定証が2枚発行されます。2枚の認定証については、W資格と就職サポートで紹介しています。
なお、講座で学ぶ施術は、体の状態を診断するものではありません。建物の決まりを確かめることも、講座の修了とは別に必要です。
6. よくある質問
管理規約に何も書かれていない場合は、始めてよいですか
書かれていないことは、認められていることと同じではありません。管理会社か管理組合に、1章の3つを伝えて確かめてください。返事は日付と一緒に書き留めておきます。
集合ポストや扉にサロン名を出してもよいですか
共用部の表示には、建物ごとの決まりがあります。出す前に管理会社へ確かめ、返事があるまでは出しません。出さない前提で、部屋番号だけで着けるように案内を作っておきます。
オートロックのない建物ではどうしますか
エントランスの段取りがなくなるだけで、ほかは同じです。扉を開けるのは部屋のチャイムが鳴ってから、挨拶は扉を閉めてから、見送りは玄関の内側までです。
受け手が自転車や車で来る場合はどうしますか
来客用の駐輪場や駐車場が使えるかを、管理会社に確かめておきます。使えない建物では、近くの有料の駐輪場や駐車場を案内に書きます。敷地の中や建物の前の道路に停めてもらうことはしません。
始める前に、隣や下の階へ挨拶したほうがよいですか
管理会社に確かめるときに、あわせて相談します。挨拶をする場合は、人が来る曜日と時間帯、気になることがあったときの連絡先の2つを伝えます。施術の内容や料金の話はしません。



