施術でくすぐったがる人への触れ方は?部位の順番と手の当て方
2026/09/27
脇の下や首筋に手を当てたとたん、受け手が笑い出して体をよじる。施術をしていると、こうした場面に必ず出会います。くすぐったさは受け手が我慢して抑えられるものではありません。施術者の側で、触れ方と部位の順番を変えることで和らげていくものです。
この記事では、くすぐったさが出やすい部位と出にくい部位、指先ではなく手のひらの面で触れる当て方、出にくい部位から入る順番、それでもくすぐったいときの判断を、椅子に座ったまま行う施術を例に整理します。
目次
1. くすぐったさが出やすい部位と出にくい部位
出やすい部位
くすぐったさが出やすいのは、脇の下、脇腹、首筋、耳のまわり、膝の裏、足の裏です。いずれも皮膚が薄いか、ふだん人に触れられることが少ない場所です。椅子に座ったまま行う施術では、脇の下・首筋・耳の3か所が工程に入るため、ここで反応が出ることが多くなります。
出にくい部位
反対に出にくいのは、肩の上、肩甲骨のまわり、背中の中央、頭です。面が広く、衣服や髪の上から触れる場所なので、初めて触れられる受け手でも反応が小さい傾向があります。
同じ部位でも人によって違う
出やすさには個人差があり、脇の下はまったく平気でも首筋だけが苦手という人もいます。初回のカウンセリングで「触れられてくすぐったいところはありますか」と1問だけ聞いておきます。答えが「ない」でも、施術の最初の数分は反応を見ながら進めます。
- 聞くのは1問だけにする
- 答えは部位の名前だけを控える(「脇・首」など)
- 2回目以降は、控えた部位を施術の前に見返す
2. 指先ではなく、手のひらの面で触れる
触れる面積を広げる
くすぐったさは、狭い面積で軽く触れたときに出やすくなります。指先1本が当たる面は1センチ四方前後ですが、手のひら全体なら縦13×横8センチほどあり、面積はおよそ100倍になります。脇の下や首筋では、指先から入らず、手のひらか手のひらの付け根(手根)を当てるところから始めます。
触れたら3秒動かさない
手を当ててすぐに動かすと、受け手の体は触れられたことに身構えたまま次の刺激を受けることになります。当てた手はそのまま3秒ほど止めておき、受け手の肩の力が抜けてから動かし始めます。
速さを一定にする
速い動きや、速さが途中で変わる動きもくすぐったさを招きます。同じ部位を扱っている間は、ゆっくりした一定の速さを保ちます。
触れる前に予告する
予告なしに触れられると反応が大きくなります。「次は脇のほうに手を当てます」と伝え、2秒ほど置いてから触れます。予告の言い回しは施術中の声かけ例文で場面ごとに扱っています。
3. 出にくい部位から入り、手を離さない
肩甲骨から始める
施術の最初に出やすい部位へ触れると、受け手はその後もずっと身構えたままになります。肩の上や肩甲骨のまわりなど、出にくい部位から始め、受け手の体に手が触れていることに慣れてもらってから、首筋や脇の下へ進みます。
- 肩の上・肩甲骨のまわり
- 二の腕から手首
- 首の後ろ・後頭部の際
- 首筋・耳のまわり
- 脇の下
講座で学ぶ手技の順番を大きく崩す必要はありません。くすぐったさの強い受け手の場合に、出やすい部位の工程を後ろへ回す、という調整です。
片手を体から離さない
手を完全に離してから次の部位に触れると、そのたびに「触れられ始め」が生まれ、反応が出やすくなります。一方の手で次の部位へ移る間も、もう一方の手は肩や背中に置いたままにしておきます。空いた手の置き場所の考え方は施術中の添え手の位置で詳しく扱っています。
4. それでもくすぐったいときの判断
その工程を短くするか、省く
面で触れ、順番を変えても反応が続く場合は、その部位の工程を半分の時間に短くするか、省きます。くすぐったさを我慢しながら受ける時間は、受け手にとって施術の時間になりません。「脇のほうは今日は軽めにしておきますね」と伝え、受け手に我慢させないことを優先します。
笑って体が動いたら手を止める
椅子に座った受け手が笑って体をよじると、背もたれや肘掛けに体をぶつけることがあります。反応が大きくなったら、両手を肩の上に置いたまま動きを止め、受け手が落ち着いてから再開します。
次回に向けて1行残す
施術のあと、くすぐったさが出た部位と、そのときにどう変えたかを1行だけ残します。
- 例:「脇=手根で短め、首筋=後ろに回した」
- 次回は施術の前にこの1行を見て、最初から順番を組み替えておく
くすぐったさと、痛み・しびれは分けて考える
「触れられるとくすぐったい」と「触れられると痛い・しびれる」は別のものです。軽く触れただけで痛みやしびれを訴える場合は、その部位の施術を控えます。症状が続いている場合は医療機関の受診をすすめます。セラピストは診断を行わないため、原因を推測して伝えることはしません。
5. 椅子1脚で首・肩・腕を扱うチェア整体マイスター講座
当学院のチェア整体マイスター講座は、ベッドを使わず、着替えも要らない、椅子に座ったまま行う施術を学ぶ講座です。実技には、鎖骨下軽擦、上腕から手首までの両手圧迫、腋窩リンパ手根もみ、肩甲骨四指もみ、肩関節回旋、首筋四指回しもみ、胸鎖乳突筋四指もみ、耳ほぐし、頭部3ライン拇指押圧、ストレッチなどが含まれます。この記事で扱った脇の下・首筋・耳を工程として含むため、触れ方と順番の組み立てを実技のなかで確かめられます。
- 教材:オリジナルDVD1枚、実技テキスト1冊、人体骨格図、人体筋肉図、最終課題、確認問題
- 学習期間:標準1ヶ月〜3ヶ月、最長1年まで延長無料
- 認定証:3枚
- 受講料:通常55,000円のところ、資格支援特別価格23,500円(57%OFF)。月々1,111円からの分割払いにも対応しています。※資格支援特別価格は時期により変動します。
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6. よくある質問
自分で触ってもくすぐったくないのはなぜですか
自分の手で触れるときは、どこにどう触れるかを自分で分かっているため、くすぐったさが起きにくいと一般に説明されています。施術で予告をしてから触れるのは、受け手にとって「どこに触れられるか」を分かる状態に近づけるためです。
くすぐったいのは、その部位が凝っているからですか
くすぐったさと体の状態の関係を、施術者が判断することはできません。受け手に「くすぐったいのは〜だからですね」と理由を伝えることはせず、触れ方と順番の調整だけで対応します。
足の裏がくすぐったい人にも同じ考え方が使えますか
使えます。足の裏も、指先で軽く触れるより、手のひらで足全体を包むように当ててから始めるほうが反応が小さくなります。土踏まずは出やすい場所なので、かかとや足の甲から入り、土踏まずは後に回します。
何回か受けるうちに、くすぐったさは変わりますか
人によって違います。2回目以降に反応が小さくなる人もいれば、変わらない人もいます。変わることを前提にせず、前回残した1行をもとに、毎回最初から順番を組んでおきます。
くすぐったがって施術を受けたがらない人には
無理にすすめません。出にくい肩と背中だけのメニューにするなど、触れる範囲を受け手に選んでもらう形にします。



