施術中のくしゃみと咳:ティッシュの置き場と手を拭く順番
2026/09/28
施術中に受け手がくしゃみをしたり、咳きこんだりすることがあります。くしゃみそのものは1〜2秒で終わりますが、そのとき施術者の手はオイルで濡れています。ティッシュの箱に触れることも、受け手に直接ティッシュを渡すこともためらわれ、そこで迷うと、施術が止まる時間は数十秒から数分に延びます。
この記事では、くしゃみや咳が出た瞬間に施術者がすること、うつ伏せと仰向けで変わるティッシュの渡し方、ティッシュとごみ箱と手拭きの置き場、手を拭くだけで再開できる場合と洗い直す場合の分かれ目を、秒数と距離で整理します。受け手の体調を判断するための記事ではありません。
目次
1. くしゃみや咳が出た瞬間に手を止める3つの動作
くしゃみや咳が出るとき、受け手の体は胸から肩にかけて大きく動きます。手を当てたままだと、その動きに手が押し返されたり、圧が急に強く入ったりします。まず手を止めることが先です。
動作は3つで3〜5秒
- 両手を体から数センチ浮かせる(1秒)
- 顔の真上や正面から、自分の体を横へずらす(1〜2秒)
- 「どうぞ、そのままで」と一言添えて待つ(1〜2秒)
3つめの一言は、受け手が気をつかって我慢しないようにするためのものです。くしゃみをこらえようとすると、受け手は体に力を入れたまま次の工程を受けることになります。
片手を離さない工程とは扱いを分ける
触れ始めの工程では片手を体から離さないのが基本ですが、くしゃみや咳の最中は例外として両手とも浮かせます。体が跳ねる1〜2秒のあいだは、手を当てていても支えにならないからです。
続けて出るときは5秒置く
くしゃみは続けて出ることがあります。1回目のあとすぐに手を戻さず、5秒ほど間を置いてから戻ります。3回を超えて続く場合や、鼻水が出てきた様子がある場合は、次の章の手順でティッシュを渡します。
2. うつ伏せと仰向けで変わるティッシュの渡し方
ティッシュの渡し方は体位で変わります。共通しているのは、オイルの付いた施術者の手を受け手の顔に近づけないことです。
うつ伏せ:顔をフェイスホールから上げてもらう
フェイスホールの直径は15〜18センチ前後で、顔が下を向いたままでは鼻をかめません。両肘を肩の下について、顔をホールから10センチほど上げてもらいます。上げるまでは5秒前後です。
ティッシュは顔の前ではなく、受け手の手に渡します。施術者が顔の下へ手を差し入れると、オイルの付いた手が顔に近づくからです。顔まわりに敷いた縦20×横25センチ前後の紙に鼻水が落ちていたら、新しい紙に替えます。フェイスホールの高さや首の角度についてはうつ伏せ施術での顔の位置で整理しています。
仰向け:顔の真上から外れ、横を向いてもらう
仰向けでくしゃみをすると、真上に向かって出ます。頭側に立って首や顔を扱っていた場合は、顔の真上から横へずれます。鼻をかむときは、上体を起こしてもらうより、体ごと横向きになってもらうほうが動きが小さく済みます。横向きになってかみ終えるまで30秒前後です。
顔の工程の途中だった場合、鼻のまわりのオイルはティッシュで一部取れてしまいます。再開は顔からではなく、一つ手前の首から入り直します。
座位:そのまま手元に渡す
椅子やベッドの縁に座っている状態なら、ティッシュはそのまま手元に渡せます。受け手が顔をそむけてかめるよう、施術者は半歩下がります。
3. ティッシュ・ごみ箱・手拭きをどこに置くか
オイルの付いた手でティッシュの箱に触れると、箱の取り出し口にオイルが残り、次の件でも気になります。置き場は、施術者が箱に触れなくて済むように組みます。
ティッシュは始める前に3組取り出しておく
1組は2枚重ねです。3組、計6枚を、施術を始める前にワゴン上段の小さなトレーに並べておきます。こうしておけば、トレーからつまむだけで渡せます。使わなかった分は件ごとに入れ替えます。1箱150〜200組なら、50件分以上になります。
ワゴンはベッドの頭側、振り向かずに届く位置
トレーを載せるワゴンは、幅40×奥行35×高さ70センチ前後の3段式で足ります。置くのはベッドの頭側で、施術者が体を大きくひねらず手を伸ばせる位置です。足側の工程の最中にくしゃみが出ても、数歩で届く距離にしておきます。
ごみ箱はふた付きの足踏み式
使ったティッシュを受け手が自分で入れられるよう、ごみ箱はベッドの頭側の床、縁から50センチ以内に置きます。足踏みでふたが開くものなら、施術者も受け手も手でふたに触れずに済みます。容量は5リットル前後で足り、袋は1日の終わりに替えます。
手拭きタオルは2枚に分ける
施術者の手拭き用に、フェイスタオル(34×80センチ前後)をワゴンに2枚置きます。1枚目はティッシュをつまむ前に指先だけを押さえる用で5秒、2枚目は再開前に手全体を拭く用で30秒です。1枚で済ませると、拭いたはずのオイルが指先に戻ります。
受け手の手元にはウェットティッシュを1枚
鼻をかんだあと、受け手が自分の手を拭けるよう、ウェットティッシュを1枚添えます。このあと腕や手の工程が控えているときは、特に渡しておきます。
4. 手を拭くだけで戻るか、洗い直すか
分かれ目は1つです。施術者の手が、受け手の鼻水や咳で飛んだもの、使ったティッシュに触れたかどうか。触れていなければ拭いて戻り、触れていれば洗い直します。
触れていなければ60〜90秒で再開
- 手を浮かせて一言添える:3〜5秒
- 1枚目のタオルで指先を押さえる:5秒
- トレーからティッシュを渡す:5秒
- 受け手が鼻をかむ:20〜30秒(うつ伏せは顔を上げる5秒を足す)
- 受け手がごみ箱へ入れ、手を拭く:5〜10秒
- 2枚目のタオルで手全体を拭き、オイルを足す:30秒
合計は70〜85秒前後です。60分の施術なら、1回で2%ほどにあたります。
触れていたら洗い直す。2分半〜3分
手洗いは石けんとすすぎと拭き取りで1回45〜55秒です。洗面所が同じフロアの3メートル先なら往復は10秒前後、オイルを塗り直すまで含めると2分半〜3分かかります。離れる前に「手を洗ってまいります。2分ほどお待ちください」と伝え、うつ伏せなら背中にタオルを掛けてから施術室を出ます。洗面所までの距離の考え方はサロンの洗面所の位置と用意で扱っています。
再開は一つ手前の部位から
戻ったら、止めた部位の一つ手前から30秒〜1分入り直します。失った時間は、終了を数分ずらすか、1か所を落とすかのどちらかで数え直します。受け手が席を立った場合も含めた考え方は施術の途中での中断と再開にまとめています。
咳が続くときは体位を変え、それでも続けば見合わせる
うつ伏せは胸が押される姿勢なので、咳が続くと受け手はつらくなります。1分以上続く、または数分おきに繰り返す場合は、横向きか仰向けに変えてもらうか、うつ伏せの工程を後ろへ回します。
それでも止まらない場合は、その日の施術を終える判断をします。セラピストは診断を行いません。咳やくしゃみの原因を推測して伝えることもしません。咳が長く続いている、息苦しそう、熱っぽいと受け手が話す場合は、施術を中止し、医療機関の受診をすすめてください。
施術の記録には「中断2分・咳」のように1行だけ残します。
5. 全身を部位ごとに学ぶリンパリファインセラピー講座
くしゃみや咳で手を止めたとき、どこから入り直すかで迷わないためには、施術が部位ごとに区切られていることが前提になります。区切りがはっきりしていれば、「一つ手前」がすぐに決まります。
リンパリファインセラピー講座は、オイルを使った全身の施術を、うつ伏せと仰向けの両方で部位ごとに学ぶ講座です。実技は次の8つの流れで構成されています。
- うつ伏せ下肢・臀部
- うつ伏せ背部
- うつ伏せ背部・頸部・肩部・上肢
- 仰向け下肢
- 仰向け腹部
- 仰向け上肢
- 仰向け頸部
- 仰向け顔面部
理論は「リンパ療法の歴史」「禁忌事項」「筋肉・骨格について」など7科目です。教材はDVD2枚、実技テキスト2冊、理論テキスト1冊、副読本、スイートアーモンドオイル、確認問題で、顔面部まで含めた全身の流れを自宅で確認できます。
受講料は通常92,400円のところ、資格支援特別価格24,900円(月々1,038円から)です。資格支援特別価格は時期により変動します。学習期間は標準2ヶ月〜8ヶ月、最長1年で、修了すると認定証2枚(GBC・ITSA)が発行されます。試験料・認定料・送料・更新料は無料で、学習中の質問はメールで受け付けています。
修了後の開業や就職の支援は業界最強のサポートで紹介しています。
6. よくある質問
施術者はマスクを着けたほうがよいですか。
顔の近くで手を動かす工程があるため、着けるかどうかをサロンの方針として決め、予約の確定連絡に1行添えておくと受け手が迷いません。受け手がマスクを着けたまま受けたいと言った場合は、うつ伏せの工程で外すかどうかを本人に決めてもらいます。
施術者自身がくしゃみをしそうになったら、どうしますか。
両手を体から浮かせ、受け手から顔をそむけて、自分の二の腕のあたりで受けます。オイルの付いた手で口元を覆わないようにします。そのあとは2枚目のタオルで手を拭き直してから戻ります。
花粉の時期は何か変えますか。
カウンセリングシートに「くしゃみや鼻水が出やすい時期か」を1問加えておき、該当する受け手のときはトレーのティッシュを3組から5組に増やします。原因や対処について施術者から助言はしません。
咳が出ている日に予約を変えたいと言われたら。
変更をどう受けるかを事前に決めておき、予約の確定連絡にも1行添えておきます。当日になって受け手が言い出しにくくならないようにするためです。
受け手のくしゃみで施術着が汚れたら。
替えの上衣をワゴンの下段に1枚入れておきます。着替えるのは施術の区切りで、いったん手を洗ってから行います。



