施術記録に何を書くか|カルテの5項目
2026/08/23
施術記録は、当日中に書くのが基本です。翌日になると、圧の反応や会話の内容といった細かい部分から抜け落ちていきます。記憶が新しいうちに残しておくことが、次回の施術の質を決めます。
ただし、何もかも書けばよいわけではありません。項目を絞らないと続きませんし、続かない記録には意味がありません。
この記事では、記録すべき5項目、オイルや精油の残し方、保存期間の考え方、次回への引き継ぎ方までを整理します。
目次
1. 記録すべき5項目
施術記録に残す項目は、次の5つに絞ります。多すぎると書ききれず、少なすぎると次回に役立ちません。
- 日付と施術時間(開始と終了)
- 実施した内容(部位と手技の順序)
- 触れて分かったこと(張り、冷え、左右差の位置)
- 相手からの言葉(心地よかった箇所、避けてほしかった箇所)
- 次回に試したいこと
1件あたり3分から5分で書ける分量です。この5項目なら、施術後の片付けをしながらでも埋められます。
「触れて分かったこと」は場所を書く
最も価値が高く、最も書き方が難しいのがこの項目です。「張っていた」だけでは次回に使えません。どこがどう張っていたのかを、位置とともに残します。
- ×:肩が張っていた
- ○:右の肩甲骨の内側、背骨から指3本分の位置に硬さ
位置を書いておくと、次回そこから確認できます。前回と比べて変化があったのかどうかも判断できます。
感想ではなく事実を書く
記録は施術者自身の感想を書く場所ではありません。触れて確認できたこと、相手が口にしたことを、そのまま残します。判断や解釈を混ぜると、後から読み返したときに何が事実だったのか分からなくなります。
2. 使ったオイルと精油を残す
オイルを使う施術では、何をどれだけ使ったかを必ず記録します。これは次回の再現と、安全確認の両方に必要です。
記録する内容
- キャリアオイルの種類と使用量
- 精油の種類と滴数
- 希釈濃度
- 使用後の肌の様子
たとえば「スイートアーモンドオイル30ミリリットル、ラベンダー3滴、オレンジスイート3滴」と書いておけば、次回まったく同じ配合を再現できます。「前回と同じで」と言われたときに答えられるかどうかが、信頼につながります。
合わなかった記録こそ重要
肌に赤みが出た、香りが強すぎると言われた、こうした記録は必ず残してください。次回に同じことを繰り返さないための情報です。
精油には禁忌があります。妊娠中に避けるもの、光に反応するもの、高血圧の方が注意すべきもの。何をいつ使ったかの記録がなければ、後から振り返ることもできません。
万が一への備え
人の体に触れる仕事である以上、想定外のことは起こり得ます。記録は、そのときに状況を説明できる唯一の資料です。当学院の受講生と卒業生はセラピスト賠償責任補償制度に加入できます。記録と備えは両輪です。
3. 保存期間は5年を目安に
施術記録は5年間の保存を目安にしてください。医療機関の診療録が法令で5年保存とされていることに合わせた期間です。セラピストに法的な保存義務はありませんが、基準として分かりやすく、実務上も十分です。
紙と電子のどちらでもよい
紙のカルテでも、パソコンやタブレットの記録でも構いません。大切なのは、いつでも取り出せる状態にしておくことです。
- 紙:施術者名の五十音順、または顧客番号順にファイリング
- 電子:バックアップを別の場所に保存。端末の故障で消えないようにする
保管には鍵をかける
施術記録には、体調や生活習慣といった個人情報が含まれます。誰でも見られる場所に置いてはいけません。紙であれば鍵のかかる引き出しへ、電子であればパスワードをかけて保管します。
自宅サロンの場合、家族の目に触れる場所に置かないことも大切です。開業準備で見落とされやすい点なので、最初に置き場所を決めてください。
当学院では、こうした運営面の準備を含めた20大特典を用意しています。
4. 次回に引き継ぐ書き方
記録は書いて終わりではありません。次回に読み返して初めて意味を持ちます。読み返す前提で書き方を整えます。
冒頭に3行だけ書く
詳細な記録の前に、次回すぐ目に入る位置へ3行だけ置きます。
- 前回いちばん喜ばれたこと
- 前回避けたこと、避けるべきこと
- 次回まず確認すること
施術直前に読み返すのは、たいていこの3行だけです。詳細は必要になったときに遡ればよく、日常的に使うのは要約された部分です。
回数を重ねたら比較する
3回目以降は、前回だけでなく初回の記録と比べてください。1回ごとの変化は小さくても、3か月分をまとめて見ると傾向が見えることがあります。
ただし、記録から体調の判断をしてはいけません。気になる変化があれば、医療機関の受診をすすめてください。セラピストは診断を行いません。
記録は技術と一緒に育つ
学び始めたころは、何を書けばよいか分からないのが普通です。触れて分かることが増えるにつれ、書ける内容も増えていきます。当学院の充実の教育プログラムでは、技術の習得と並行して現場で使う視点も養えます。
5. アロマトリートメントを学べる通信講座
精油を扱う技術を基礎から学びたい方には、メディカルアロママイスター講座があります。北欧スウェーデンで生まれたクラシックマッサージと、精油の知識を組み合わせて学ぶ通信講座です。
学べる実技と理論
実技修業科目は8項目です。全身セティングロングストローク、背面・骨盤トリートメント、下肢トリートメント、全身ロングストロークタッチ、腹部トリートメント、上肢トリートメント、胸部・頸部トリートメント、全身ロングストローク。
理論修業科目も充実しています。スウェディッシュの歴史、スウェディッシュとは、使用されるテクニック、トリートメント効果、禁忌・注意事項、タオルの使用について、筋肉・骨格について、キャリアオイル、精油(エッセンシャルオイル)。この記事で扱った記録の土台になる知識が、ここに含まれます。
教材と受講条件
- 教材:オリジナルDVD2枚、実技テキスト2冊、理論テキスト、からだのしくみ事典(副読本)、スイートアーモンドオイル、精油3種(ゼラニウム、ラベンダー、オレンジスイート)、確認問題
- 標準学習期間:2ヶ月から8ヶ月。最長1年まで受講できます
- 受講料:通常価格77,000円(税込)から資格支援特別価格29,900円(税込)。24回分割で月々1,414円からです
- 認定証:確認問題を1回提出後、合計3枚を発行します(GBC認定1枚、一般社団法人ITSA認定2枚)
取得できる資格は、メディカルアロママイスターと、商標登録済みのメディカルホームドクターセラピスト(登録商標第6290525号)です。試験料、認定料、送料、更新料はすべて無料で、再試験も回数制限はありません。
※資格支援特別価格は時期により変動します。
6. よくある質問
家族への施術でも記録は必要ですか
あったほうが役立ちます。仕事としてでなくても、前回どこに触れたか、どんな反応だったかを残しておくと、次回の組み立てが変わります。項目は3つ程度に減らして構いません。
記録を本人に見せてもよいですか
問題ありません。むしろ見せることで信頼につながる場合があります。ただし、他の方の記録が同じノートに書かれている場合は見せられません。1人1枚、あるいは1人1ファイルに分ける形をおすすめします。
書く時間がとれないときはどうしますか
5項目のうち「触れて分かったこと」と「次回に試したいこと」の2つだけでも残してください。この2つが、次回いちばん役立ちます。残りは後から追記できます。
決まった書式はありますか
業界共通の書式はありません。自分が続けられる形が最適です。市販のカルテ用紙でも、ノートに手書きでも構いません。まず1か月続けてみて、書きにくい項目を削るほうが定着します。
記録から体調の判断をしてもよいですか
いけません。セラピストは診断を行いません。記録はあくまで施術の履歴であり、健康状態を判断する資料ではありません。気になる変化に気づいた場合は、医療機関の受診をすすめてください。
どんな講師から学べますか
当学院では現場経験のある講師が教材を監修しています。詳しくは講師紹介をご覧ください。



